現在、オランダの1部リーグ、エールディビジでは5人の日本人選手がプレーしている。日本代表の板倉滉もフローニンゲンの一員として、ヨーロッパで3年目となるシーズンを迎える。日本代表の将来を担うと期待される逸材は、どんな思いでヨーロッパで戦い、新シーズンに臨んでいくのか。2020-21シーズン開始に向けてトレーニングを続ける板倉に話を聞いた。
■「すごいと思ったのは、PSVのマレン」
板倉へのインタビューの第1回前編では、昨季を通して感じたオランダのサッカーについて話を聞いた。板倉が感じる「オランダ」とは。
――「キャラが立っている」選手ばかりということですか。
「はっきりしている選手が多いですね。うまい選手はうまいし、うまくないけどとにかく速い選手とか、速くないけどとにかく強い選手とか。そういうキャラがはっきりしている選手はすごく多いし、そういう相手と対戦するのはすごく楽しいですね」
――では、ご自身は何を打ち出そうとしましたか。
とにかく眼の前の相手に負けないことです。1対1では負けたくないと思ってやっていましたし、それは今も変わりません。いろいろ特徴を持った選手がいる中で、センターバックとして使ってもらっているのだから、自分が抜かれなかったら失点しないということなんだ、という気持ちでやっていました」
――対戦してみて、きつい相手はいましたか。
「最初にすごいなと感じたのは、PSVの(ドニエル・)マレンという選手ですね。最初に対戦した開始5分くらいで“この選手、速い!”と思いました。後ろから来たボールをトラップミスして、前にボーンと蹴ったんですが、裏に抜けるそのスピードが速すぎました。結果としてはGKがキャッチができたんですが、めちゃくちゃ速くてびっくりしました」