今季のUEFAチャンピオンズリーグは、7年ぶり6回目のバイエルン・ミュンヘン、そしてUEFAヨーロッパリーグは前身のUEFAカップでの3連覇を含む最多の6度目のセビージャの優勝で幕を閉じた。
その欧州ヨーロッパリーグの来季の出場権を獲得し、スペインリーグの台風の目になったチームがある。それが、レアル・ソシエダだ。
レアル・ソシエダの育成組織からトップチームでプレーし、指導者としてのキャリアも同クラブでスタートさせたアルグアシル監督率いるレアル・ソシエダ。今シーズンは序盤から好位置につけ、欧州ヨーロッパリーグ出場権を獲得する6位、そして国王杯では準々決勝でレアル・マドリッドを撃破、1988年以来32年ぶりに決勝進出を決めた。特筆するべきは成績だけでない。自陣からショートパスでボールをつなぐ丁寧なポゼッションから、狙いのある縦に早い攻撃を仕掛け、守備では前線から激しいプレッシングをおこない、多くのチームを苦しめただけでなく、ジャーナリストやファンから高い評価を得たシーズンとなった。
この緻密な戦術を支えているのが、分析システム。しかも、最新の人工知能(AI)を駆使したものだ。AI分析システムにより、選手個人のスタッツ情報だけでなく、選手間のバランス、距離、パス交換の本数など緻密なデータを扱う。現代サッカーのデータ分析の最前線といえる。
このレアル・ソシエダの戦術を支えるAI分析システムの名は『Bepro11』。その全貌はどのようなものなのか。そして、レアル・ソシエダはそのシステムをどう活用しているのだろうか。