コロナ禍による過密日程や交代枠の増加で、若手選手の出場が増加している今年のJ。その中で、すさまじいポテンシャルを見せつけている選手がいる。FC東京の19歳・中村拓海だ。
中村の場合、コロナによる出場とは別な要因で、試合出場のチャンスをつかんだ。FC東京で不動の右サイドバックだった室屋成の移籍である。室屋は第10節の名古屋戦を最後に、ブンデスリーガ2部のハノーファー96に完全移籍。その翌々節である湘南戦で、中村は今季初出場となる先発出場をかざったのだ。
昨年の中村は主戦場がJ3のFC東京U-23だったため、J1での出場歴はない。中村にとって湘南戦はJ1デビュー戦。FC東京の選手は、そんな中村を試合に慣れさせるためか、序盤は左サイドでのつなぎに終始し、中村のファーストタッチは東京の先発メンバーの中で最も遅い5分30秒だった。