■「ＧＥＴ３」のメンタリティが新たな武器の獲得につながる
幸いにというべきか、今シーズンのレギュレーションではＪ２降格がない。湘南スタイルの進化形を、徹底的に追及することができる。
だからといって、勝敗度外視の戦いをすることはない。チームが大切する「ＧＥＴ３」のメンタリティ──目前の勝利をつかむために全力を尽くす──で臨んでいく先に、新たな武器を手に入れたチームがあるはずだ。
攻撃にも守備にも全員が関わっていくサッカーだけに、特定の個人をピックアップするのは難しい。そのうえで言えば、齊藤未月はキーパーソンにあげられるだろう。
東京五輪世代の彼は、開幕から９試合連続でスタメン出場してきた（１０節の横浜ＦＣ戦は累積警告で出場停止）。連戦になるとプレーの質が落ちてしまう選手がいるなかで、ボランチやインサイドハーフでプレーする齊藤は「あまり落ちない」と浮嶋監督は評価する。心身ともにタフなのだ。アカデミー育ちのクラブの至宝は、２１歳にして勝敗の責任を背負う。
