コロナウィルスは、世界トップクラスのスポーツイベントに重大な影響をもたらした。
チャンピオンズリーグは、3月11日のラウンド16、リバプール対アトレティコ・マドリード戦を最後に長い中断に入り、ようやく再開したのは8月7日。
すでに決定していたパリ・サンジェルマン、アタランタ、RBライプツィヒ、アトレティコ・マドリードの4チームに加えて、8月7日、8日の試合で、マンチェスター・シティ、リヨン、バルセロナ、バイエルン・ミュンヘンがベスト8を決めた。
ベスト8が決まったかと思うと、速やかに準々決勝に突入。舞台はポルトガル。ヨーロッパの西端のこの国で、通常のホームアンドアウェイ方式ではなく、一発勝負のトーナメントとして、チャンピオンズリーグは決勝までの全試合が集中開催されることになったのだ。
ベスト8対決の緒戦は日本時間の8月13日午前4時。パリ・サンジェルマン(PSG)とアタランタの一戦だ。
会場は、エスタディオ・ダ・ルス。リスボンにあるベンフィカのホームスタジアムで、その名は「光のスタジアム」の意味。
アタランタのホームタウンである、イタリアの小都市・ベルガモは、コロナウィルスで甚大な被害を被ったものの、チームは快進撃を続け、シーズンの総得点数は2位のインテルを19も上回るリーグ最高の98。得失点差は+50というとんでもない超攻撃サッカーで、今季もリーグ3位となっている。
だが、13日のPSGとの決戦では、アタランタは今大会で5得点していたヨシプ・イリチッチが欠場。トップ下に、チームの中心的存在のアレハンドロ・ゴメスを置いて、試合をスタートさせる。
いっぽうのPSGは、実に25年ぶりとなるCLベスト4を狙う。新たなメガクラブとしての豊富な資金力の象徴ともいえるエースのネイマールを中心に、アタランタを迎え撃った。
先制点は前半27分。ペナルティエリア右にこぼれたボールを、アタランタのクロアチア代表MF・マリオ・パシャリッチが左足でシュート。ネットにボールが吸い込まれ、アタランタが先制する。
そのまま試合は推移し、アタランタが1−0とリードしたまま終了するかと思われたが、後半45分にネイマールの折り返しをマルキーニョスがゴール。PSGが1−1と同点に追いついた。
そして、3分後、ネイマールからのパスを左サイドからキリアン・ムバッペが折り返し、シュポ・モティングがゴール。最後の最後に、PSGが劇的な大逆転勝利を遂げたのだった。
あまりにもドラマチックな一戦が行われたこのスタジアムは、8月24日午前4時(日本時間)の決勝の舞台ともなる。
はたして“光”を手にするのは、どのチームになるのかーー。