加えて、Jリーグのデータによれば、川崎のチーム平均走行距離は18チーム中17位。スプリントの1試合平均回数も、川崎より少ないチームは2チームしかない。一方で、パスの本数は上位にあるから、人以上にボールを走らせる戦い方はデータも示している。この過密日程の中では、走る負担が少ない戦い方がもたらす恩恵は説明するまでもない。それも影響して、チームの故障者は極めて少ない。躍進の要因でもある選手層の厚さは、この戦い方もプラスしているのではないだろうか。

 とはいえ、この戦い方は他チームが簡単にマネできるものではない。止める・蹴るの技術的正確さを保持していること、そして、チーム全体で距離感や立ち位置を深く共有していることで、できることだからだ。

 ここまでの勝ち点は25。取りうる最大勝ち点の92.5%を得ていることになる。夏場に入り、過密日程と相まって選手やチームに疲労が蓄積していくが、川崎がこの戦い方をキープできるのならば、他チームとの戦力差は相対的に高まり、この92.5%という数字をさらに高めることもできるかもしれない。

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