■想像以上の久保のインパクト
マドリーはFC東京からフリートランスファーで久保を獲得した。近年、マドリーが獲得してきたヴィニシウス・ジュニオールやロドリゴ・ゴエスと違ったのは、久保が移籍金ゼロで加入した選手だということである。マドリーは移籍金4500万ユーロをヴィニシウス獲得のため、移籍金4500万ユーロをロドリゴ獲得のために支払っている。
「非常に才能を備えた選手というのは...昨シーズン、レアル・マドリーはヴィニシウスを獲得した。今シーズンに向けては、ロドリゴだ。彼らにとってカスティージャでのプレーが、最善の選択肢だとは思えない。久保の場合は、どうなっていたか分からないがね。クオリティの高い選手は、2部Bというカテゴリーの枠に収まらない。私は度々、監督たちと話すが、選手によって異なると言っている。トップチームで10試合に出て、重要な試合でプレーするというのは、大きいと言っていた。ただ、選手によっては、定期的にプレーすることで伸びる選手もいる。選手によるんだ。あるいは、適応に問題を抱えそうな選手に関しては、注視できるような状況に置いて、プロテクトする必要がある。そうすると、翌年に、成長したりする」
「時には、一歩一歩進む、というのが重要だ。大きな一歩を踏み出すのではなくてね。久保にとって、カスティージャに残留して2部Bでプレーするのが、良いのか。私の答えはノーだ。ただ、これは、本当に選手に依る。ひとつひとつのケースを検証しなければいけない。人生においては、時に、間違えることさえ必要なんだ」
そう、当時、久保がリーガエスパニョーラ1部でこれだけのインパクトを残すとは我々は想像だにしていなかった。日本のメディアの注目度は最初から高かった。だがスペインメディアの2019-20シーズンの期待値を久保が上回ったのは確かかも知れない。