■プロフィール100%
バルセロナのプロフィールを100%満たす選手。その久保を、なぜバルセロナは確保しなかったのか。もっと言えば、バルセロナは久保を逃してしまったのだ。昨年夏、久保の再獲得に動いていたのは周知の事実である。
「タケはバルセロナに戻るというアイデアに刺激を受けていました。しかし、代理人を変えたこととレアル・マドリーのプロジェクトがシチュエーションを変えてしまった」とはオスカルの弁だ。久保はその頃に代理人をアルトゥーロ・カナレス氏からロベルト佃氏に変更したといわれている。
皮肉にも、今季のバルセロナはリーガエスパニョーラの優勝こそ逃したものの、リキ・プッチとアンス・ファティという期待のカンテラーノが象徴的に活躍した。
ファティとは、カンテラ時代にチームメートだった。だが、ファティはバルセロナの選手に、久保はマドリーの選手になった。
久保はバルセロナに戻りたがっていたーー。第一発見者のオスカルの言葉がリフレインする。ボタンのかけ違いが、数奇な運命を呼び起こした。それでも物語は続く。そして、どんな続編でさえフットボールの世界では除外されない。