■期待以上の結果になった久保獲得
２０１９年６月１４日。レアル・マドリーが、久保建英の獲得を正式に発表した。それは日本サッカーの歴史に刻まれる一日になったと言っても過言ではない。ただ、その日のレアル・マドリーの公式サイトには次のように記されている。
「タケフサ・クボは来シーズンのカスティージャを強化する」
そもそも、マドリーは久保をＢチーム相当のカスティージャでプレーさせるために獲得した。無論、久保を軽視していたわけではない。その逆だ。あの時、マドリーは真剣にカスティージャの強化を考慮していた。ラウール・ゴンサレス監督の就任を決め、久保だけではなくロドリゴ・ゴエスをクラブのレジェンドである指揮官の下でプレーさせるつもりだった。
久保とロドリゴはマドリーの期待を裏切った。もちろん、良い意味で、だ。
久保はマジョルカの主力になり、ロドリゴはジネディーヌ・ジダン監督にとって貴重な戦力になった。日本（アジア）とブラジル（南米）のマーケットを軸に１８歳の選手を売り出すことに成功したフロレンティーノ・ペレス会長はポーカーフェイスの奥で喜びの感情を噛み殺しているはずだ。彼らの活躍こそがマドリーのブランディングに繋がるからである。
