“前のめりの浦和”と“狡猾な柏”ー明暗を分けたハーフタイムの画像
”味スタショック”から柏戦で今季初連敗を喫した(撮影日:20年7月19日 / 撮影:中地拓也)

 多くの意味で、ストレスがたまる試合だった。

 まず結果から言えば、浦和レッズ柏レイソルにホームで0-4の完封負け。今季初の連敗であり、2試合連続で得点を奪えなかった。

 スコアだけ見れば頭を抱えたくなるが、しかし、点差の割に内容はそれほど悪くなかった。

 事実、前半だけで決定機は3度もあった。

 立ち上がり3分、FW武藤雄樹がDFラインをかいくぐり、柏GK中村航輔と1対1でシュート。惜しくもゴールポストの右に転がっていった。さらに36分、分厚い攻撃からFWレオナルドがゴールまでわずか数メートルという場所でシュートを放つも、シュートコースにいた相手DFがなんとか足でかきだした。そしてこの試合最大の決定機となったのが45分のMF関根貴大のシュートで、左サイドで細かくつないだパスがゴール右にいた関根にうまく渡り、フリーの状態で丁寧に右足で押し込もうとしたのだが、GK中村に阻まれたのだ。

 決定機だけではなく、その他の内容を見ても浦和は前線からプレスをかけ、奪ったら、一気にゴールに向かうという狙い通りの戦いができ、柏を抑え込んだ。前半だけ見れば今季一番の出来だった。

 だが、32分に訪れた失点の場面がいただけなかった。きっかけは、GK西川周作が味方に出したはずのパスが柏MFヒシャルジソンに奪われてしまったことである。危機を察したMF柴戸海が慌てて取りに行くが、時すでに遅し。この“ラッキーボール”を悠々と決められてしまった。

 GK西川は「つなぐ意識が強すぎた。パスが弱く柴戸選手がコントロールできなかった」と反省したが、ここから失点が重なっていく。

 ただ時系列を振り返ると、32分に失点しても浦和は前半の残り13分間で2度、決定機を作っている。巻き返せる可能性は十分にあった。

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