■サッカー界は性善説に立とうと決意

 3月29日、私が会長に就任した際に病院からwebで、そしてそれは4月2日に退院したときにもすぐに皆さん(メディア)にもお伝えして、オープンにしました。ですからもうこれは、やらなければいけないということ、自分の中にあったことです。

 ただしこれは、4月は理事会が行われなかったので、理事会で決定して、お金が幾らかかるか試算して確保しなければなりません。それまでにスタッフに準備してもらい、しかも国の給付がなかなかすぐに来ないとか、そんな問題が報道でありましたので、「我々はスピード感だぞ」とハッパをかけて、私たちの職員がちゃんと制度を作った。限られた時間で制度設計したということは凄いことだなと我ながら思いました。

 それともう1つ、我々は「性善説」に立とうということです。そこのクラブがちゃんとしたクラブであり、そしてそれが本当のことを申請しているんだという、まず「性善説」が1つ。2番目に我々のネットワークを生かそうとしました。各県協会や各連盟で、そのクラブが実在するか、本当に困窮しているか、そういうこともきちんと調べましょうということにしました。

 もしもわからないところが出てきたら、我々のトレセンコーチとか、各県協会のフルタイムで働いている人たちに、そのクラブを訪ねて確認してもらう。逆に言うと国ってなかなかそういうことをできないところもあったので、我々はサッカーのネットワークでやろうと決めました。

 そしてまず5月7日に仮申請をしてもらい、そして14日の理事会で5億円というお金をしっかりと確保し、5月の24日、つまり25日の給料日までには振り込めるようにしようと決めました。そして最初に融資したのは1億数3千万円ほどでした。1番最初が1番多かったのですね。

 そして9日に第9回目の会議をして、総額で4億9千6百万近くのお金になったと思うんです。申請があったところ、約254件(+第9回分)近くに融資をし、そしてなかには申請しましたけれども法人格を持っているところは国の制度の持続化給付金、そちらの方にも申し込んでいたクラブは、「そちらの方が下りましたから、私たちに融資するお金はもっと困っているクラブに融資して下さい」と返金されたこともありました。

 本当にサッカー界は「性善説」と言ってよかったなと思っています。そして、どうしても融資にうまく当てはまらないクラブも10いくつありましたけど、あとはほとんどお認めして融資したということです。

※後編に続く

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