■ 名瀑ヴィクトリアの滝
2010年ワールドカップは南アフリカでした。
僕はバンコク経由のタイ航空で往復したんですが、大会の直前直後は航空券が高かったんです。まあ、当然でっしゃろな。で、「それなら、大会前後に周囲国も回ってみよう」と思いついたんです。
開幕戦は6月11日ですが、1週間前の4日に成田を発って5日にヨハネスブルグに到着。その足でモザンビークの首都マプトに向かって4泊。9日にヨハネスブルグに戻りました。そして、7月11日の決勝戦の翌日からジンバブエ、ザンビア、ナミビアを回って南アに戻り、17日にヨハネスブルグを発って18日に成田着という日程です。
ジンバブエとザンビアは「滝を見に行く」のが目的でした。
両国国境に位置するヴィクトリアの滝は「世界三大瀑布」の一つです。「三大瀑布」のうち、僕はナイアガラは見たことがありませんが、ブラジル・アルゼンチン国境のイグアスには3回も行きました。そこで、ヴィクトリアの滝をイグアスと比べてみようというわけです。
拠点はジンバブエの「ヴィクトリア・フォールズ」という街です。その名の通り滝見物の観光客目当ての街で、野生動物もたくさん見られます。なにしろ、ホテルにチェックインして注意書きを見ると「庭に野生の象が現われても騒がなければ危険はない」と書いてあります。残念ながら滞在中に象は現われませんでしたが、象は町中にいくらでも歩いています。
ジンバブエはもともと「南ローデシア」という英国植民地で、1965年に白人政権が「ローデシア共和国」として一方的に独立を宣言しましたが、悪名高い人種差別政策を採っていたので南ア以外どこからも承認されませんでした。1980年についに自由選挙が行われ、黒人政権が樹立されて「ジンバブエ共和国」が成立しましたが、首相(のちに大統領)となった独裁者ロバート・ムガベが白人農園主を国外追放するなどしたために経済が破綻してハイパーインフレが進みました(ムガベは2017年にクーデタで失脚)。