■100兆ドル紙幣

 ホテルと出るとお土産売りの少年たちが声をかけてきます。“目玉”はジンバブエ・ドル紙幣の束です。額面20ドルから100兆ドル紙幣まで13枚セットで10米ドルでした。この紙幣はもう使えず、米ドルか南アのランドが通用していました。

100兆ドル紙幣(表)。絵が画かれている石組みが、国名の由来となったジンバブエ遺跡
100兆ドル紙幣(表)。絵が画かれている石組みが、国名の由来となったジンバブエ遺跡
100兆ドル紙幣(裏)。滝が描かれている
100兆ドル紙幣(裏)。滝が描かれている

 滝の入り口までは東に3キロほど。一本道ですから、音がする方に向かって歩いて行けば間違えることはありません。

 アフリカ南部を流れる大河ザンベジ川。その川に対して直角にえぐられた深さ108メートルの峡谷、大地の割れ目に向かって、水がほとばしり落ち、そして大地よりはるか高くにまで水しぶきが吹き上げられています。割れ目の対岸から滝を眺めるわけですが、峡谷の幅は100メートルもないので大量の水しぶきでほとんど何も見えません。左(西)の端に回り込んで、ようやく水が落ちていく様子を見ることができました。

 一度、公園を出てさらに東に向かって歩いて行くとザンベジ川を渡る鉄橋に出ます。

 橋の真ん中ではバンジージャンプをやっていて、お兄ちゃんが「おもしれぇから~、やってけよ~」としきりに誘ってきます。100メートル下のザンベジ川に向かってのジャンプは確かに気持ちよさそうでしたが、まあ、こんなところで怪我でもしたら大変なのでジャンプは我慢しました(←もちろん嘘でっせ。怖いに決まってる!)。

 橋を渡った所の国境事務所でビザをもらってザンビアに入国します。ザンビアは経済も安定していて、小ざっぱりした身なりの中産階級のザンビア人家族が何人も滝見物に来ていました。国境の橋を渡るだけで人々の暮らしはまったく変わってしまいます。ザンビア側では割れ目の幅がさらに狭いので、さらに激しい水しぶきの中を歩くことになりました。ズブ濡れです。

 イグアスの滝はいくつもの滝に分かれていて、ブラジル側からはかなり遠い位置から全景を見ることができます。アルゼンチン側からは滝口のすぐそばまで木道を歩いて行けるし、ボートを使って滝つぼの間近まで行けます。一方、ヴィクトリアの滝は大迫力ですが、水しぶきだけでほとんど滝は見えませんでした。水の少ない乾季に行った方が良かったのかもしれませんね。

 滝のそばのジンバブエ側には「ヴィクトリア・フォールズ・ホテル」という高級ホテルがあり、その中庭で滝の音を聞いて水しぶきを眺めながら頂くアフタヌーン・ティーは最高に優雅なひと時でした。

  1. 1
  2. 2