【5人の交代枠】

 交代回数はこれまで通り3回までだが、交代できる人数を3人から5人に拡大することが、一時的に認められる。これは、過密日程による選手の負担を減らすことを目的とした時限措置だ。

 選手の負担を減らすことはもちろんだが、カードの切り方によっては、かなりの効果が期待できる。
 たとえば、前線の選手が猛然とハイプレスをかけ続け、後半早々に交代カードを使ってフレッシュにする可能性もある。また、要所となるセットプレー時に一気に5人交代すれば、相手チームがマークの受け渡しに苦慮することは必至。そうでなくても、選手の配置などを把握する際に戸惑うので、大量交代とシステム変更をセットに行うことによる“混乱作り”も有効だろう。

【過密日程】

 4つ目は、すでに書いたが過密日程だ。“選手層の厚いチームが有利になる”なんてことは説明するまでもないし通常のリーグでも同じこと。むしろ、選手層が同じレベルのチーム同士での対戦で、そこをどう工夫するかがカギになる。先述した5人の交代カードだけでなく、システムの使い分け、プレスの強度の使い分け、長距離カウンターの仕様変更など、打てる手は意外と多い。

 


【移動や前泊】

 移動や宿泊について、Jリーグは細かな指示を出している。

 移動については、バス移動が2時間以上になる場合のバス複数台の使用、マスク着用、選手が座る間隔を1.5~2㍍空けること、移動時間1時間につき3回の換気、などだ。

 また、宿泊においても、チームごとにフロアを貸し切ること、入口やエレベーターなど専用の動線を設けること、食事場所の専用確保などを強く勧めている。これらは選手個々というより、運営側への負担となる。

 では、選手への負担はどこで出るのか。それは、アウェイ遠征時のルーティンが崩れることにある。

 ANAやJALが航空需要の減退で国内線を減便していること、新幹線においても混雑時の乗車を避けるため、などから、移動時間・ルーティンがいつもと異なる可能性がある。試合前日の午前中に軽く練習をしてそのまま移動していたチームが、少なくなった飛行機便の時間に合わせるため、午前練習を中止、あるいは、前々泊になることがあるかもしれない。

 そうした影響や移動リスクを考慮し、常に飛行機移動が前提となるJ1札幌は、再開後に関東を拠点とする見込みだ。

 

 

 これら5つの課題を挙げてみたが、実際に再開してみないと分からない部分が多い。他方、想定していなかった何かが、最大の障壁となりうる可能性もある。いずれにせよ、試合そのものに向けた戦術調整も重要だが、ウィズコロナの状況では、こうした“ピッチ外の調整”も勝敗に直結する。

 サポーターとしては、中継画面の前で見守ることしかできないもどかしい期間がしばらく続くが、声援が選手を鼓舞する日は必ず訪れる。

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