7月4日にJ1が再開される 写真:松岡健三郎/アフロ
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 7月4日、J1リーグ戦がついに再開される。2月下旬の第1節以来、実に132日ほど続いた空白に、“週末の熱狂”が終止符を打つのだ。

 しかし、すでに6月末に再開したJ2とJ3をご覧のように、再開されたJは、今までの勝手知ったるリーグではない。アフターコロナ仕様のまったく別物だ。その影響を最も受けるのは、もちろん選手などチームそのもの。そして、“アフターコロナJ”の勝敗は、コロナの影響への対応力によって左右されるといっても過言ではない。その影響を考察したい。

 

【無観客試合】
 分かりやすい影響として、まず、無観客試合が挙げられる。数万人単位で観客が入っている通常のJ1から、観客が一人も入らないスタジアムでの試合となれば、選手のモチベーションに大きくかかわることは言うまでもない。体力がキツい時間帯に1本のダッシュをできるかどうか、そこに、サポーターがいることで踏ん張れることは、理解しやすい。

 チャントがないことは、試合リズムにも影響する。ベガルタ仙台サポーターは、チームが攻めているときに“レッツ・ゴー・仙・台”と声を張る。ユアスタを満たすあの声援は、黄金戦士を鼓舞し、相手チームを威圧する。そして、これこそがホームチームのメリットの一つでもある。

 また、声が通りやすいので、「指示を出しやすい」こともあれば、逆に、「チーム内共有が悟られやすい」ということがある。監督からの指示、フォーメーション変更、マークの受け渡し……これらを声で伝えるのか、あるいは、他の手段を用いるのか、対策を練るチームもあるかもしれない。

 

【コンディションと試合勘】

 2つ目の影響として、コンディションと試合勘を挙げたい。接触が制限されている中では練習方法も限られる。Jリーグの方針として、練習試合の対戦相手をJクラブに限定していたため、近隣にJクラブがない地域のチームは、実戦機会を簡単に組めない。

 たとえば、6月13日に行われたJクラブの練習試合の組み合わせは、判明しているもので〈J1清水―J3藤枝〉〈J2磐田―J3沼津〉〈J1浦和―J2町田〉〈J1広島―J3鳥取〉〈J1鹿島―J2新潟〉の5試合がある(ただし、ここではチーム名を明かさないが、非公開で練習試合を行ったチームを把握している)。このうち、県境を越えたものは3試合。さらに、地方をも越えたものはわずか1試合しかない。非公開の練習試合もあるためなんともいえないが、越境に躊躇して練習試合を組まなかったクラブも中にはあるだろう。

 実戦機会の多少は、再開後序盤に影響を与えそうだ。

 

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