■チームドクターたちは再開自体に疑問

 一方で、再開自体に疑問を投げかけているのが、各クラブのチームドクターだ。選手が感染した場合の対応策や責任の所在、自分たちが感染した際の補償などが具体的に示されていないと懸念を表明。GKグローブを介しての感染の危険性なども十分に考慮してガイドラインに盛り込むべきだと、リーグ側に訴える。

 再開を危惧する声は選手からも上がっている。マンチェスター・シティのアルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロが「選手はみんな恐れている。練習や試合に戻ることになったら、自分もチームメイトも神経質になるだろう」と語れば、同じくアルゼンチン代表でウェストハム所属のMFマヌエル・ランシーニは「ワクチンがないのにプレーしろなんて、クレイジーだよ」と発言。チェルシードイツ代表DFアントニオ・リュディガーも「ピッチでベストを尽くせるか分からない」と、感染終息前の再開に不安を覗かせる。

 感染症による死者が3万人を超えヨーロッパ最多のイギリスに対し、ドイツは死者が7000人弱と、国内の感染状況が異なるとはいえ、再開に向けた両リーグの体制作り、取り組みにも違いがあるようだ。

 ちなみに、JリーグはNPB(日本野球機構)とともに設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」でさまざまな対応策や再開について協議しているが、4月23日の第6回会合では、緊急事態宣言が出されている中での公式戦の開催は難しいとの見解が示され、無観客試合の可能性も明らかにされた。

 各国それぞれの対応策、はたしてどうなるのか――。

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