いよいよケジャンとご対面!

 4月30日には金日成スタジアムで試合が行われ、北朝鮮の猛攻を受けますが、GKの松井清隆が20本ものシュートをすべて防ぎきって引き分けに持ち込み、二次予選進出を決め、その晩は平壌ホテルで記者団も参加の大宴会が行われました。

 その翌日(帰国予定の前日)、ついにケジャンを食べに「新興食堂(シンフンシクタン)」という店に連れて行ってもらえました。食堂は大同江東岸の東平壌地区にあり、工場の煙突も見え、労働者も歩いています。準備になぜ時間がかかったのか……。それは、犬料理屋は外国人を連れて行くような店ではなかったからだったんです。

 平壌の主な見所は大同江西岸にあり、有名な冷麺の店「玉流館(オンニュグァン)」も西岸にあります。ですから、外国人が東平壌に行くことは滅多にありません。

ケジャン
これが新興食堂の犬料理『ケジャン』だ!

 さあ、待望のケジャンと対面です。ケジャンはやはりスープ料理ですが、ソウルの補身湯のように濃厚ではなく、もっと上品な味付け。日本の韓国料理屋で言えばカルビタンのようなものでした。それ以外にも、蒸して犬肉特有の脂っこさや臭みを抜いて、各部位の肉をスライスした料理がとても美味しかったです。牛や豚の蒸し肉をスライスした「スユク」は、韓国旅行の時に食べたことのある方も多いでしょう。

 ソウルや延吉あるいは東京でも、僕は犬料理を食べたことがありますが、やはり圧倒的に美味しかったのが、この「新興食堂」の料理でした。

 その後、ソウルに行って、韓国OB蹴球協会(元代表選手たちの集まり)の老人たちにインタビューした時に「平壌で犬を食べてきましたよ」と言うと、おじいさんたち、とくに北出身の人たちはしきりに羨ましがっていました。

 ちなみに、北朝鮮でも韓国でも犬は食用に飼育している赤犬で、各国政府が食用肉として管理しているのでウイルス感染の心配などはありません。

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