ナランハ(橙色)とアスル・グラナ(青とえんじ色)。その2色を身に纏う選手として、ヨハン・クライフを思い起こす人も少なくないかもしれない。
クライフはオランダ代表とバルセロナの中心選手として活躍した。彼が全盛期を迎えたのは1973年夏からで、移籍一年目の1973-74シーズンにはバルセロナを14年ぶりのリーガエスパニョーラ優勝に導いた。
オランダ代表のプレーヤーとしては、クライフのハイライトは1974年の西ドイツ・ワールドカップ、1976年の欧州選手権(現ユーロ)だろう。ワールドカップでは西ドイツに敗れたものの、準優勝。欧州選手権では、3位だった。
そして、フランク・デ・ブール、ロナルド・デ・ブール、ミハエル・ライツィハー、エドガー・ダービッツ、パトリック・クライファート、マルク・オーフェルマルスといった選手が、彼のクライフの足跡を辿った。
新型コロナウィルスの影響で、ユーロ2020の1年延期が決定した。クライフでさえ、現役時代、ユーロのタイトルは獲得していない。
ふと見せる横顔には、まだあどけなさが残る。だが、ひとたびボールを持てば、まさに「無双」と化す。ユーロ2020でスターになるはずだったデ・ヨングの、今後1年の成長が、オランダ代表の成功を左右する。