■ アーセナルの猛反撃と誤算。16歳の天才少年を襲った「レッドカードの悲劇」
百戦錬磨のアーセナルは慌てずに攻め返す。だが2年前、20歳の時にマンチェスター・ユナイテッドから期限付き移籍して活躍し、今季完全移籍に切り替わったDFリース・ベネット(23歳)を中心としたフリートウッド・タウンの守備陣は粘り強く対応し、1-0のままハーフタイムにこぎつける。
後半、もちろんアーセナルは主力を投入し、逆転を図る。右サイドバックのティンバーに代えてイングランド代表DFベン・ホワイト、そして失点を許す形になったCBのサーモンに代えてクラブキャプテンでもあるノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴールの投入である。
試合が劇的に変わる。5分、ホワイトの60mを超すサイドチェンジパスを受けた左MFのオニールがゴール前に入れると、フリートウッドのDFフィンリー・ポッターが対応したように見えたが、その背後から体を寄せたヨケレシュが体を倒しながらボールに触れようとし、振り上げた右足は空振りに終わったものの落ちたボールが左足に当たってゴールに転がり込み、1-1の同点に追いついたのだ。
その後もアーセナルは圧倒的にボールを支配し(1試合を通じてのアーセナルのボール支配率は78.6%にも及んだ)、シュートの雨を降らせる(総シュート数はホームチームの3本に対し、アーセナルは26本)が、そこに立ちふさがったのがフリートウッドGKのジェイ・リンチだった。アーセナルのシュートをはね返し続け、ハバーツのシュートがバーを直撃する幸運にも恵まれた。
そしてスコアが動かないまま、後半40分、アーセナルは大きなショックを受ける。MFダウマンが右タッチライン際でキープしようとしたところに猛烈な勢いでアプローチしたフリートウッドMFニールが深いタックルでボールをタッチラインに出すと、そのタックルに怒ったダウマンが倒れたままのニールを蹴ろうと右足を振ってしまったのだ。
ダウマンの「キック」は、わずかにニールに当たっただけだった。しかし、この行為に両チームの選手たちが駆け寄ると、ソールズベリ主審は即座にダウマンにレッドカードを突きつけた。16歳の天才少年は、生涯忘れることのない教訓を得たに違いない。ニールが蹴られた直後にダウマンを両手で突き飛ばしたフリートウッドの交代出場MFアンディ・キャノンにもイエローカードが出された。




































