■1972年以前の記憶と、深セン川を越えるリアル

 香港から中国に入るにはいくつものルートがあるのですが、香港国際空港から最も便利なのは空港バスに乗って「上水」駅で地下鉄に乗り換え、「落馬洲」駅まで行き、そこから徒歩で深セン川を渡って深センに入るルートです。

「落馬洲」駅から国境までは大きな屋根付きの橋になっていて、中国に向かう人たちがゾロゾロと歩いて行きます。橋の外はよく見えませんが、ガラス窓越しに深セン川が見えます。香港と中国の「国境」の西半分は、すべてこの深セン川が境界線となっています。

 深セン川は小さな川ですが、昔は日本人にとって越えるのが最も難しい国境の一つでした。1972年の日中国交正常化以前は航空路線もありませんでしたから、日本から中国に行くためにはまず英国領だった香港まで行って、陸路で深セン川を越えて入国するのが一般的だったのです。

PHOTO GALLERY ■【画像】世界の広さを感じさせる、国境を流れる川
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