「35分間で2発」元U-21スペイン代表が優勝へのラストピースに!年明け以降も続く圧倒的アドバンテージと「不気味な存在」【FC東京、悲願のJ1制覇なるか】(3)の画像
好調さをキープするFC東京。チーム一丸となり、悲願達成なるか。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 第12節を終えて首位争いを展開するFC東京。堅守と若手の台頭で好調を維持するチームだが、決して選手層が厚いわけではない。しかし、悲願のJリーグ初制覇へ向けて、秋口に獲得した「スペインからの刺客」が強烈なラストピースとして機能し始めている。さらに、ライバルクラブたちを襲う「ACL」という過酷な疲労の壁。盤石の体制と日程面のアドバンテージを手にした首都クラブの“優勝へのシナリオ”を、サッカージャーナリスト・大住良之が読み解く。【第3回/全3回】

■ 35分間で2ゴール。スペインから来た“優勝へのラストピース”

 何人かの故障者を抱えながら、現時点ではうまくカバーして結果を残しているFC東京だが、選手層は決して厚いとはいえない。しかし9月には、今季を左右するかもしれない新戦力の獲得に成功した。2025/26シーズンまでスペイン2部のレアル・サラゴサでプレーし、U-21スペイン代表経歴を持つFWダニ・ゴメス(28歳)である。

 10月10日、第9節の浦和レッズ戦(ホーム、3-0の勝利)の後半43分に長倉幹樹に代わって投入されてJリーグにデビュー、以後の3試合のすべてで終盤に交代出場し、第10節の東京ヴェルディ戦(アウェイ、4-0の勝利)と第12節の水戸ホーリーホック戦でゴールを決めている。

 Jリーグでの記録上は4試合合計出場「35分間」で2ゴールということになっているが、この数字には後半のアディショナルタイムが含まれていないので、それを入れると実際のプレー時間は「55分間」となる。それにしても、この短時間で2点得点の決定力は驚異だ。

 東京V戦では、中盤でアレクサンダー・ショルツからの縦パスを受けて前を向き、右の山田楓喜にスルーパス。その内側を走り抜けて山田からのパスを受け、ワンタッチでニアポストを破った。そして水戸戦では、石原広教の左CKに合わせてニアポストに走り込み、ヘディングで決めた。

 身長178cmと大きくはないが、技術が高いうえに周囲の選手ともスムーズにパスを交換できる戦術的能力を備え、タイプとしては長倉に近いように感じる。現時点でのFWマルセロ・ヒアンのバックアップは身長161cmの仲川輝人だが、長倉に代わる選手はいなかった。ダニ・ゴメスの加入で、FC東京の前線はよりダイナミックになった。得点力のある選手がベンチに控えているということは試合終盤の得点が期待でき、勝利に直結する。

 試合が進むごとに戦力が充実し、強さを増しているように感じられるFC東京。ターゲットはひとつ、悲願のJリーグ初制覇だ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3