キャプテンの不調、アンカーの不在…神戸の大誤算!JFL新宿は北嶋前監督の「ウノゼロ」遺産で首位堅守【J1、JFL、WEリーグ強豪対決で分かった「勝つチーム」の絶対条件】(2)の画像
白熱のJ1天王山。猛威を振るう柏の仕掛けを前に、ふだんは堅固を誇るヴィッセル神戸の組織や最終ラインに、あちこちで致命的な綻びが生じていた。撮影/原壮史(Sony α1使用)
 サッカーでは、強いチームが必ず勝つとは限らない。だが、勝つチームを見ていると、勝利のために必要なものを備えていることが分かる。サッカージャーナリスト後藤健生が「勝つチームの共通点」を読み解く連載の第2回。柏レイソルに圧倒されたヴィッセル神戸が抱えていた不安材料とは。さらに舞台をJFLの首位決戦に移し、クリアソン新宿が見せた「ウノゼロの自信」から勝利の鉄則を喝破する!【第2回/全3回】

■柏の攻撃力を支えた戦術的守備と、要を欠いたヴィッセル神戸の「綻び」

 さらに攻勢を強める柏レイソルに対して、あちこちでヴィッセル神戸の守備に綻びが生じた。

 特に、いつもは堅実な守備を見せるキャプテンの山川哲史の調子が悪く、相手の仕掛けに耐え切れず、また、ミスから相手にボールを渡してしまう場面もあった(山川は58分にカエターノと交代)。

 64分にも神戸はミスからボールを失い、柏の久保藤次郎にドリブルでカットインを許し、久保に見事なシュートを決められてしまう。

 神戸は終盤には左右からクロスを放り込んで空中戦での勝負に出て81分には小松蓮、88分にはジエゴがヘディングを決めて2点を返したが、柏は84分にこの日もまた交代で出場した瀬川祐輔がドリブルシュートを決めて突き放した。

 テンポの良い攻めで4ゴールを奪って「日立台」のホーム・サポーターを歓喜させた柏の攻撃力が目立った試合だったが、その裏には高い位置で相手ボールを絡め取って攻撃につなげた柏の戦術的な守備があった。

 一方、アンカーの扇原貴宏を欠いて酒井高徳を中盤で起用せざるを得ず、どういうわけか山川も本来の出来ではなかった神戸は守備面で不安を抱えたままの90分だった。

 やはり、サッカーという競技で勝敗を考える時、守備力が重要なのは間違いない。そんなことを痛感させられたJ1リーグの首位攻防戦だった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3