100億円規模の移籍金が当たり前のように飛び交い、FIFA会長はワールドカップを株式会社に売り飛ばそうと画策する――。巨額のカネと権力によって、現在のサッカー界はいびつな形に膨張している。
W杯を私物化しようとする独裁的な振る舞いは、ついに世界各国の猛反発を買った。しかし、それでも彼を支持し続ける国々の「ウラ事情」とは? 醜悪なマネーゲームの深層を、サッカージャーナリスト・大住良之が鋭くえぐる!【第1回/全2回】
■W杯を私物化? 狭められる「インファンティーノ包囲網」
「インファンティーノ包囲網」は、徐々に、そして確実に狭められている。
国際サッカー連盟(FIFA)の会長職は1期4年間。選挙は、ワールドカップの翌年のFIFA総会において行われる。以前はワールドカップ直前に開幕戦の開催地で行われる総会で選挙が実施されていたが、数日後に開幕するワールドカップを新会長がリードするのは難があると、ワールドカップの翌年に変更された。前任のゼップ・ブラッター会長時代、2007年のことである。
その後、2015年、ブラッターがスイスのチューリヒで開催された総会で会長に当選して5期目に入った直後に、会長や副会長など幹部の大半が不正経理などで失脚し、翌2016年、チューリヒでの臨時総会で第9代会長に選任されたのがジャンニ・インファンティーノ現会長である。インファンティーノは、2019年、2023年と再選され、来年3月にモロッコで開催される総会での「4選」を目指していた。
ドナルド・トランプ米大統領への唐突な「FIFA平和賞」授与(昨年)、ワールドカップ入場券のあざとい販売、「バログン事件」など、次々とサッカーファンを激怒させる出来事を起こしても、インファンティーノの「4選」は確実視されていた。会長選挙でそれぞれ1票の投票権をもつ加盟211協会のうち、なんと200協会の支持を得ていると、彼は豪語していた。




























