ワールドカップを金づるに変えようとしたFIFAの「3兆円」新会社設立案。激しい反発により頓挫したものの、その背後にはトランプ大統領の親族や巨大投資ファンドの影がちらついていた。ルールすらも「金儲け」のためにねじ曲げるアメリカ式スポーツ・ビジネスの脅威とは何か。サッカージャーナリスト後藤健生が、その恐るべき実態をあぶり出す。
■「金儲け」か「文化」か。米国と欧州の決定的な違い
投資家の存在も、アメリカのプロスポーツとヨーロッパのプロサッカーの大きな違いの一つだ。
アメリカでは、プロスポーツ・クラブは投資家が投資として(つまり、金儲けのために)設立する興行のための組織だ。
だから、投資が回収できないと(儲からないと)オーナーはチームを身売りしたり、移転したりする。
大リーグ(MLB)のロサンゼルス・ドジャースは大谷翔平や山本由伸などが活躍しており、日本でも人気の高い野球チームだ。だが、ドジャースは1883年にニューヨーク州のブルックリン市(現在はニューヨーク市と合併)に設立されたが、1958年にカリフォルニア州のロサンゼルスに本拠地を移したチームだ。
ドジャースのライバルであるサンフランシスコ・ジャイアンツも、ドジャースと同じ1883年にニューヨークのマンハッタンで設立されたが、やはり1958年にカリフォルニア州のサンフランシスコに移転している。
サッカーの世界にたとえれば、マンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティがそろってロンドンに移転するような出来事だが、アメリカのプロスポーツではこうしたチームの移転は茶飯事である。






























