悲願の「最高の景色」を目指して北中米ワールドカップに参戦している日本代表。オランダ代表との劇的な引き分けから始まり、チュニジア代表戦での圧勝、そして極限のプレッシャーの中でスウェーデン代表戦を1-1のドローで乗り切り、勝点5の2位で決勝トーナメントへ駒を進めた。
ベスト16を懸けた決勝トーナメント1回戦(ラウンド32・日本時間6月30日午前2時キックオフ)で立ちはだかるのは、史上最多5度のワールドカップ優勝を誇る“カナリア軍団”ブラジル代表だ。2002年の日韓大会以来、24年も王座から遠ざかっている王国は、覇権奪還に向けて血眼になっている。日本代表に勝機はあるのか?
「負けたら終わり」の一発勝負を占うのは、元日本代表DFの秋田豊氏。現役時代は類まれなポジショニングと驚異的なジャンプ力で空中戦を制圧し、「頭将」の異名をとった熱きディフェンダーだ。日本がいかにして王国ブラジルに打ち勝つべきか、その必勝戦略の分析を依頼した。
現役時代にブラジル代表と2度対戦し、鹿島アントラーズではジーコやジョルジーニョ、レオナルドといったブラジルの伝説的名手たちと共にプレーした経験を持つ秋田氏。ブラジル人のメンタリティとサッカーの特性を誰よりも熟知する彼が、「ブラジル戦では堂安律を右ウイングバックに起用すべきではない」と断言する。その言葉の裏に隠された、ブラジル代表の絶対的エースを無力化するための必勝スタメン戦略を公開する!
■【王国攻略の糸口】カゼミーロの脇を狙え! ブラジル守備陣の“連動性の低さ”とヴィニシウスの穴
4-4-2で組むブラジル代表の守備ブロックは意外と脆い。5バックで守っていたスウェーデン代表戦とは異なり、DFの間にギャップを生み出しやすいからです。しかもブラジル代表の守備陣はかなり連動性が低い。
ギャップを生み出すために、攻撃時の日本代表は左右のウイングバックが高い位置を維持し、左右のサイドチェンジで揺さぶりをかけたい。
その際、狙い目になるのがボランチ、カゼミーロの両サイド。ポッカリとスペースが空くことも少なくないので、そこに入ったボランチやシャドーが右から左、左から右へと展開したい。そして、DFの間にギャップが生まれたら、見逃さずにシャドーやウイングバックが突いて攻略します。スウェーデン代表戦で前田大然選手が決めたゴールのようなイメージです。もちろん、ポケットを使って折り返す、という攻撃も有効になるでしょう。
しかも、おそらく相手の左サイドに張りつくと思われるヴィニシウスはまったく守らない。日本代表が、堂安律選手などの右サイドが主導権を握る可能性はかなり高いでしょうね。
ただし、そのヴィニシウスが最も厄介な選手でもあります。ヴィニシウスを抑えられるかどうかが勝敗の行方を左右すると言ってもいい。
ですから、「堂安は右ウイングバックから外したほうがいい」。ブラジル代表は右ウイングバックとヴィニシウス選手が1対1になるような戦略を立ててくるでしょう。堂安選手の献身的な守備は私も評価していますが、1回のチャンスさえも逃してくれない圧倒的な「個」を持ったヴィニシウス選手を抑え続けられるでしょうか……。右CBに冨安健洋選手を入れてダブルチームで対応してもいいですが、するとブラジル代表はヴィニシウス選手を「おとり」して違うルートから攻略してくるでしょう。ブラジル代表はそういう点では非常にしたたかですよ。
もっとも、ヴィニシウス選手のアタックはほぼカットインしてシュート。しかも、今大会のブラジル代表はコンビネーションで崩すような攻撃が見られません。しっかりと対応できる選手を起用すれば、リスクは最低限に抑制できると思います。









































