「長友投入は疑問だ!」W杯2度出場の頭将DF秋田豊、王国ブラジル撃破への極秘プラン公開(1)不可欠な「高さ」対策と狙われる「左サイド」防衛!菅原由勢に苦言を呈すの画像
スウェーデン戦に途中投入された長友佑都。その投入に頭将DF秋田豊は疑問符を投げかける。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 悲願である「最高の景色」を目指して北中米ワールドカップに参戦しているサッカー日本代表。強豪オランダ代表との劇的な引き分けから始まり、続くチュニジア代表戦の圧勝、そして緊張感あふれるスウェーデン代表戦を1-1のドローで乗り切り、見事グループ2位での決勝トーナメント進出を決めた。
 ベスト16入りを懸けた決勝トーナメント1回戦(ラウンド32・日本時間6月30日午前2時キックオフ)で森保ジャパンの前に立ちはだかるのは、史上最多5度のワールドカップ優勝を誇る絶対王者・ブラジル代表だ。2002年に日本で開催された日韓大会以来、24年も王座から遠ざかっている王国は覇権奪還に並々ならぬ闘志を燃やしている。はたして、日本代表に勝機はあるのか?
「負けたら終わり」の極限の大一番を占うのは、元日本代表DFの秋田豊氏。現役時代、決して恵まれた体格ではなかったものの、頭脳的なポジショニングと抜群の跳躍力を武器に絶対的な空中戦の強さを誇り、「頭将」の異名で恐れられたレジェンドだ。
 日本代表が初めてW杯に出場した1998年フランス大会で、バティストゥータ(アルゼンチン)やシュケル(クロアチア)といった世界的なストライカーと死闘を演じた秋田氏に、チュニジア代表戦に続き、「日本が王国ブラジルに勝つためにはどうすればよいのか」その必勝への道筋と分析を依頼した。
 秋田氏はスウェーデン代表戦の戦い方から日本代表が抱える「弱点」を指摘。さらに、「長友佑都の投入は課題修正になっていなかった」と、ブラジル戦へ向けた警鐘を鳴らす。

  決勝トーナメント進出は、目標に向けた単なる通過点に過ぎない。日本時間6月30日、日本代表はベスト16のイスを懸けて、王国ブラジル代表とのノックアウトステージに挑む。

 第2戦を終えた時点で勝点を4に伸ばし、ほぼ決勝トーナメント進出を手中に収めていた日本代表。日本時間6月26日に開催されたスウェーデン代表とのグループステージ最終戦では、結果以上に「戦いぶり」に大きな注目が集まっていた。

 引き分け以上で2位以内が確定し、負けても3位通過の可能性を残す日本代表と、なんとしても勝って上位通過を果たしたいスウェーデン代表の激突。この一戦で日本代表が選んだのは、極めてセーフティーな試合運びだった。

 立ち上がりのピンチを冷静にしのぐと、徐々にボール保持率を高めていく。しかし、リスキーなドリブルや縦パスは極力回避し、「0-0の時間帯を限界まで引き延ばしたい」という手堅い思惑が透けて見えた。前半38分に板倉滉が負傷し、谷口彰悟と交代するというアクシデントに見舞われても一切動揺することなく、淡々としたプレーで決勝トーナメントへと歩を進めていく。

 そんな安全運転の中でも一瞬の隙を突いて得点できるのが、今の日本代表の強さだ。56分、上田綺世との鮮やかな連係から堂安律がギャップを突いて絶妙なパスを供給。この美しいスルーパスを受けた前田大然が、豪快にネットを揺らして先制に成功する。直後の60分に同点ゴールを浴びたものの、日本代表にとってそれはスコアが「0-0」から「1-1」に変わっただけで、大局に影響はなかった。森保一監督は落ち着いて選手交代のカードを切り、プラン通りにゲームをクローズ。見事に3大会連続となる決勝トーナメントへの扉を開いた。

 ラウンド32で激突するブラジル代表との通算戦績は、1勝2分け11敗と日本が大きく負け越している。ワールドカップの舞台に限れば、2006年ドイツ大会のグループステージで1-4の完敗を喫して以来の対戦だ。しかし、直近の2025年に行われた親善試合では、見事な逆転勝利で歴史的な初白星を手にしており、苦手意識は払拭されている。

 20年の月日は、両国の力関係をどう変えたのか? 元日本代表の“頭将”秋田豊氏が、王国撃破のシナリオに鋭く切り込む。

■【秋田豊の苦言】「菅原由勢はもっとアピールしろ!」スウェーデン戦に見えた「消極性」への不満

 スウェーデン代表との試合は「最低限」のことをしたという感じです。もっとアグレッシブにプレーしてほしかった。最終ラインの背後を突く攻撃をもっと増やせば、先制点のような見事な攻撃をもっと繰り出せたと考えています。また、ワールドカップで初めてスタメンの座をつかんだ菅原由勢選手にしても、もう少し深く切れ込んでから武器である正確なキックでチャンスをつくってほしかった。期待している選手だけにアピールしてほしかったなと思うのです。

 もちろん、チュニジア代表と対戦しているオランダ代表が大量得点するから1位を奪うのは難しい、攻めれば攻めるほどリスクが高まる、そう考えて選択した戦法というのは理解しています。ただ、「より高みを目指す」のであれば、1回戦でモロッコ代表と対戦したほうが良かったと考えています。優勝を狙うチームは対戦相手など考えずに勝つという意見を聞きますが、私はそうは思いません。

 とはいえ、決勝トーナメント進出を果たしたのですから、ブラジル代表との1回戦に備えましょう。次戦に向け、2つの懸念材料があります。端的に言えば、「高さ」と「カットイン」になります。

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