グループステージの最終関門は、いよいよ北欧の古豪スウェーデン戦ーー。北中米ワールドカップで激闘を繰り広げているサッカー日本代表は、初戦で優勝候補の強豪オランダと劇的なドローを演じると、続く第2戦では4-0とチュニジアを圧倒的な力でねじ伏せた。エース・久保建英がヒザの負傷で欠場するという最大の緊急事態さえも、悲願の「最高の景色」を目指す森保ジャパンはチーム一丸となって乗り越えてみせた。
決勝トーナメント進出をほぼ手中に収めている日本代表は、最終順位、そして運命のノックアウトステージ1回戦の対戦相手が決まる重要な一戦に日本時間6月26日(午前8時キックオフ)に臨む。さまざまな思惑や複雑な条件が絡み合うなか、指揮官・森保一監督が下す「最優先事項」の決断とは? ワールドカップを8大会連続で現地取材している朝日新聞の潮智史記者が、大注目のスタメン&フォーメーションを徹底予想する。
変えるべきか、変えざるべきか、それが問題だ。
日本代表を率いる森保一監督は今、寝る間を惜しんでスウェーデン代表戦のスターティングメンバー、そして交代メンバーのシミュレーションを重ねているに違いない。最終戦を前にして決勝トーナメント進出がほぼ手堅いという、極めて優位な立場を築いている一方、だからこそ実に悩ましい選択を迫られているのが現在の日本代表だ。
初戦のオランダ戦で貴重な勝点1を獲得し、続くチュニジア戦では4-0の大勝を手にしたことで、2試合を終えた日本代表は勝点4、得失点差「+4」でオランダと完全に並びグループ2位につけている。最終戦の相手は勝点3で追う3位のスウェーデン代表。日本は引き分け以上で2位以内での自力突破が確定し、たとえ敗れたとしても、3位での決勝トーナメント進出が濃厚なアドバンテージを握っている。
はたして、運命のスタメンを決める上で、森保監督は何を最優先させるのだろうかーー。
(1)「決勝Tを見据えた選手のコンディション優先」ルート
決勝トーナメントを一心に見睨み、主力のコンディションを最優先に考えた場合、3位通過も視野に入れた「大胆なターンオーバー」に踏み切る選択肢がある。しかも今大会のレギュレーションでは、3位通過の場合の決勝トーナメント1回戦は日本時間7月1日開催となり、2位以上で臨む場合の6月30日よりも中4日と試合間隔が広く取れるメリットがある。
だが、その場合の対戦相手は、グループIを首位で抜けてくることが確実視されるフランス代表かノルウェー代表となる確率が極めて高い。世界トップの一角と初戦から激突するリスクを考えれば、いくら楽な相手がいないとはいえ、3位通過のルートは可能な限り避けたいというのが本音だろう。
(2)「手堅く勝点をもぎ取る2位以上での通過」ルート
首位通過の可能性を追い求めつつも、最も現実的なターゲットとなるのは、スウェーデンと引き分けることで勝点5を確保し、2位以上を確定させる戦略だ。同じく勝点4となるスウェーデン側も勝ち抜けの権利を手にするため、試合展開や時間帯によっては互いにリスクを冒さないゲームコントロールが現実味を帯びるかもしれない。
しかし、それはあくまで机上の空論。さらなる高みを目指す森保監督が、最初から主力を完全に温存してそんな甘い空論にしがみつくはずもない。
となれば、ここまで素晴らしい流れを生み出してきたメンバーの骨格をある程度維持し、一瞬のスキを突いて得点。あるいは余計なリスクを排除して時計の針を進め、出場時間の長い主力たちを次々とベンチに下げて休ませるという流れを思い描いているのではないか。
はたして、森保監督の思惑は? 森保一という指揮官を長く追い続け、今大会も現地で取材を続ける朝日新聞の潮智史記者に、運命の最終戦を占ってもらった。
■GKは不動だが、最終ラインは悩ましい……
日本は勝ち点4を手にして優位な立場にいる。一方のスウェーデンにとっては勝ちたい試合。果敢に前に出てくる相手を考えれば、先に失点しないことが極めて重要になるだろう。
先発の組み合わせを難しくしているのは、決勝トーナメント1回戦の日程だ。
スウェーデン戦から最短で中3日。勝ち点3を追いつつ、次の一戦に向けて誰でも起用できる状況を確保したい。
GKは鈴木彩艶で決まりだろう。継続して高いパフォーマンスを期待したい。
悩ましいのは最終ラインだ。スウェーデンの前線には、世界を震撼させている超一級品の強力2トップが君臨する。名門アーセナルで公式戦20ゴール以上を叩き出し、189cmの強靭な肉体と圧倒的なスピードを誇る怪物ヴィクトル・ギェケレシュ。そして、リヴァプールで鋭い牙を剥くエースのアレクサンデル・イサクだ。W杯欧州予選で12試合16ゴールと大暴れしたギェケレシュは、本大会初戦のチュニジア戦でも1ゴール1アシストを記録しており、現在の日本の守備陣にとって最大の脅威であることは間違いない。
この強力FWを考えれば、対人能力に優れていることはもちろん重要だが、駆け引きができて、味方と連携してプレーできることも求められる。谷口彰悟を中央に置いて、渡辺剛と冨安健洋を組ませたい。ただし、相手FWの強さをまともに受ければ、失点のリスクは高まる。MFから後ろのパスの供給源にしっかりプレッシャーをかけることが大切になる。































