■2点差にしなければ絶対に追いつける

 オープンプレーの局面では、オランダのパスワークを封鎖している。そうなると、失点のリスクはセットプレーになる。ここで、勝負が動いた。

 51分、左サイドでガクポとマッチアップした堂安が、直接FKを与えてしまう。このFKの流れから、ゴール前に残っていたフィルジル・ファンダイクにヘディングシュートを決められてしまった。

 ここで、堂安が選手たちを集める。

「同点にするために、少しリスクを背負ってマンツーマン気味にプレッシャーかけたほうがいいのか、っていうのをすり合わせながら、いくか、いかないみたいな話をしました。みんなの意見はいかない。絶対に2失点目をしなければ絶対追いつけるっていうのが、みんなの感覚だったんで」

 果たして、右サイドから左サイドへスライドしたMF久保建英が、オランダの守備に混乱させる。左ポケットへ侵入すると、ペナルティエリア内左のMF中村敬斗へパスを通す。背番号13は持ち前のシュート技術を発揮し、相手選手の股間を抜いてネットを揺らしたのだった。

 64分に2失点目を喫した直後も、日本は円陣を組んだ。今度はFW上田綺世に聞く。

「格上との試合になるし、イレギュラーもあるし、失点することももちろんあるんで、その都度しっかりチームとしてひとつになって、同じ方向を向いて、また再スタートするというか、またそこから合わせていくっていうのは決めていた。それがしっかりできたからこそ、今日の結果だと思うんで、しっかりチーム一丸となれたんじゃないかなと」

 果たして、1点差のまま終盤へ持ち込んだ日本は、88分に同点弾を奪った。「2点差にならなければ今日みたいにこう、最後の5分ぐらいかな、必ず相手チームがメンタル的にくるので。押し込める時間があるっていうのは、カタールの時から分かっていたこと」と、堂安は話した。同点とした時点では5人の選手交代が済んでおり、4年前のカタールW杯を知らない選手もピッチに立っていたが、チームの財産として共有されていた。

 小川航基のヘディングシュートを頭でかすめ、同点弾のスコアラーに名を刻んだ鎌田大地は、「僕たちには(森保一監督の就任後)8年間積み重ねてきたものがある。みんなが同じ方向を向いてできた」と胸を張った。

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