■ACLEを経たチームの「強さ」

 リードしたまま前半を終えた町田は、後半9分にACLE後に離脱していた相馬勇紀を投入。約1か月ぶりに公式戦のピッチに立った相馬は、左サイドに入ると、どちらの足でもクロスを入れていく得意な形を見せてサポーターを沸かせた。先日発表されたW杯メンバーからは外れたものの、試合後には充実の笑顔を見せ、緊急事態の際の追加招集へ向けて「準備はしたい」と前を向いた。

 それでも、浦和は最終ラインが個の対応で奮闘。追加点を許さないと、終盤はアタッカーを増やして攻撃を続けた。しかし、町田の牙城は崩れず、1-0のままタイムアップ。クリーンシート(無失点)を達成し、町田の昌子源主将と黒田剛監督は歓喜のハイタッチを交わした。

 攻撃の時間が長かった浦和だが、終わってみれば後半のシュートは1本のみ。ボールを持つ方法は定着したものの、シュートへの思い切りや個による打開という自分たちの課題としている部分が結果に響いた。

 試合後、課題が露呈した浦和の田中達也暫定監督は、うつむいて肩を落としていた。

 奇しくも、この日の町田はその課題と無縁のチームになっていた。ファーストチャンスを思い切りの良さでものにし、その後は個の積極性が攻守の切り替えをより強固なものにしていることを示して勝利。ACLEを経たチームはそこへのこだわりをより強めており、黒田監督はこの試合を「理想的というか、チームとしてやるべきことが浸透し、選手たちが忠実に実践できるようになってきたことを証明するような試合」と評価した。

 築き上げてきた町田らしい戦いぶりで勝利し、「応援してくれた人たちに笑顔を届ける」を有言実行した。J1昇格後は賛否を巻き起こすことも多かったが、町田は今、強度や切り替えの完成度で他のチームが基準にすべき存在になっている。


■試合結果

FC町田ゼルビア 1-0 浦和レッズ

■得点者
10分 エリキ(FC町田ゼルビア)

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