■W杯はラウンド32からスタート

 ワールドカップを愛するファンの多くは、「そんなにチーム数を増やしたら、グループステージへの興味が薄れるのではないか」と感じるに違いない。ご心配なく、ワールドカップのグループステージは、とっくに「世界的関心」など失っている。それは24チームとなった1982年大会から始まり、32チームになった1998年大会ですでに決定的となっていた。

 日本のサッカーファンは、2002年、ベッカム人気に沸いたイングランドの試合や、大分県中津江村(現・日田市)でのキャンプで注目を集めたカメルーンなどの記憶はあるかもしれないが、韓国で行われた4つのグループの試合のことなど、おそらく1試合も覚えていないだろう。それは今思い出せないのではなく、当時から関心の外だったからだ。

 32チームの大会でも、グループステージで世界の注目を集めるのはごく一部の試合で、他は、たとえ試合を見たとしても、あっという間に記憶から薄れていく運命だった。なにしろ、開幕してからグループステージ終了まで、1日3試合、4試合という日が15日間も続いた(2018年ロシア大会)のだから。

 48チームの大会となってからはその傾向はさらに決定的になり、グループ3位以内でも次のラウンドに進めることから、極端に言えば、「グループステージはまだワールドカップは始まっていない」「ワールドカップはラウンド32から」という印象になると、私は予想している。64チーム制によって急にグループステージへの関心が薄れるわけではないのである。

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