来月に開幕するサッカーのワールドカップでは、参加国数が48チームへと拡大する。この肥大化に対する不満の声は多い。だが、サッカージャーナリスト大住良之は、さらに拡大したほうがいいと考える。そこには、しっかりとした理論と、「48か国参加」という不条理への思いがこもっている。
■スポーツ的ではない「48チーム体制」
「48チームのワールドカップ」は、1982年大会から1994年大会までの「24チームのワールドカップ」と同様、「スポーツ的」ではなく、「醜悪」とさえ言える。各組上位2チームに加え、3位となった12チームから「成績上位の8チーム」が「ラウンド32」に進むからだ。
同じグループではないので、当然戦ってもいない3位チーム同士の成績を比較するのが「スポーツ」と言えるだろうか。「3位なんて救済だからそれでいい」というのは、極端に言えばイングランド・プレミアリーグの3位とJリーグの3位の成績を比較し、「Jリーグ3位のチームのほうが得失点差で勝ったので、次のラウンドに進める」というようなものだ。まったく「スポーツ的」ではない。64チームにすれば、そうした不合理はなくなる。
しかも12チームから8チームを選ぶ組み合わせは495通りもあり、グループステージの最終日の最終戦(6月27日にダラスで行われるJ組の「ヨルダン×アルゼンチン」とカンザスシティで行われる同じ組の「アルジェリア×オーストリア」(ともにアメリカ現地時間の24時ごろに試合終了)まで「ラウンド32」のカードが確定しない可能性が高いのである。
3位チームが絡む「ラウンド32」の試合が、2日後の29日にある。ボストンでのE組1位との対戦相手に、「A、B、C、D、F組」のいずれかの3位チームが入ることになっているのである。6月27日の24時、すなわち28日の午前0時にこの試合への出場が決まったチームは、当然、28日に移動し、翌日の18時30分にキックオフを迎えることになる。
64チームのワールドカップにすると、「ラウンド32」に進むのは各組2位までとなるので、こんな馬鹿げたことはなくなる。
さらに、試合数は「48チーム制」の104試合から128試合に増えるが、決勝戦までの試合数は8試合と「48チーム制」と変わらず、大会期間も今回の「39日間」から延ばす必要はない。会場数は、少なくとも16は必要だが…。
ちなみに、「招致」の段階で示された2030年大会の会場数は、スペインが9都市11スタジアム、モロッコが6都市6スタジアム、ポルトガルが2都市3スタジアム、計17都市20スタジアムである。これに南米の3都市3スタジアムが加わる。























