■前夜の話し合いで深めた「阿吽の呼吸」
もちろん自由に入れ替わるには、事前の取り決めも必要になる。イングランド戦の前には、特に守備面において、2人の間で細かな確認作業があった。
「イングランド戦については、出場メンバーがある程度、前日ぐらいにはわかった。もちろん決まってはいないですけど。紅白戦をやっているときに、だいたい、このメンバーで行くのかなって。そういうときに、三笘選手とすごく話し合いました。『こうして、ああして』って」
その三笘は5月9日のブライトン対ウォルバーハンプトン戦で太もも裏を痛め、W杯最終メンバーから外れることになった。中村、三笘のコンビプレーが世界最高の舞台で見られなくなったのは残念だが、少なくとも2人は、イングランド戦で一級品のプレーを披露した。
そもそも、中村には大舞台に強いイメージがある。3-2で競り勝った昨年10月のブラジル戦でのゴール。そして、今回のイングランド戦でのアシスト──。
本人もこの点については、少し笑って認める。「そういう意味では、持ってるなと思いますけどね」と。
ただし、中村が見ているのは結果だけではない。
「振り返ると、ブラジル戦ではゴールを取ったけど、それ以外の内容が自分では微妙だったかなと思って。イングランド戦を前に考えていたのは、ゴールやアシストを取れたらいいけど、それよりもプレー内容をよくしたいということでした」
イングランド戦では、「それができた」と胸を張る。左サイドの盟友・三笘薫の負傷離脱に揺れる代表において、結果と内容の両方を追い求める背番号13の存在は、かつてないほど重要性を増している。
つづく
中村敬斗(なかむら・けいと)プロフィール 2000年7月28日生まれ、千葉県我孫子市出身。スタッド・ランス(フランス)所属。 三菱養和SCユースから2018年にガンバ大阪へ入団。2019年にオランダのトゥエンテへ期限付き移籍し、欧州でのキャリアをスタートさせる。その後、シント=トロイデン(ベルギー)、LASKリンツ(オーストリア)を経て、2023年にフランス1部のスタッド・ランスへ完全移籍。2024-25シーズンの降格に伴い、現在はリーグ・ドゥでプレー。最終節での4ゴールを含む公式戦14ゴール3アシストを記録し、2年連続の2桁得点を達成した。2023年にA代表デビューを果たすと、高い得点能力と冷静な判断力を武器に、森保ジャパンの左サイドにおける不可欠な存在として活躍している。






















