かつてのオランダ代表に付きまとった「内紛」のイメージはもはや過去のもの。現在の彼らは和を重んじる集団へと変貌を遂げている。
そして何より日本代表にとって最大の脅威となるのが、平均190cmを超える大男たちが密集する恐怖のセットプレーだ。現地オランダで健筆を振るう中田徹氏が、森保ジャパンに立ちはだかる「高さの暴力」への対策と警戒点をつづる。(第6回/全8回)
■クーマン監督が説く「ロイヤリティ」
ノルウェー戦でクレバーなプレーを披露したことで、MFテウン・コープマイナースは“W杯メンバー入り確実”と見られている。彼についてはもう一つ、テーマがある。それはオランダ代表に対する忠誠心だ。
3月の国際マッチウィーク中、ロナルド・クーマン監督は会見でロイヤリティ(忠誠心、献身性)をテーマに語ったことがあった。それは「オランダリーグで最高の選手と目されるMFジョイ・フェールマン(PSV)をなぜ代表に呼ばないのか?」という質問を受けたときだ。
「ジョイには『君は“左の6番(左CMF)”の序列で3番目だ』と伝えた」とクーマン監督は抜擢する機会が乏しいことに加え、EURO2024のグループステージ3戦目、対オーストリアの前半35分に、不調のフェールマンをベンチに下げたときの様子を説明した。
「それでも私は大会中、(途中出場で)彼を使ったんだ。だけど、ジョイのキャラクターは少し違う」
フェールマンはチーム内における序列低下に我慢ができない様子を周りに振り撒いたことを示唆する言葉が出た上で、クーマン監督は「代表チームへのロイヤリティ」を説いたのだ。
こうした背景を知ると、なぜ所属クラブでレギュラーの座を失ったネイサン・アケ(マンチェスター・シティ)やステファン・デ・フライ(インテル)、アヤックスでゴールの数に乏しいヴァウト・ウェフホルストといった選手のことを迷うことなくクーマンが代表に招集するのも理解できる。
逆に、アタランタとユベントスでの活躍でセリエAで確固とした地位を築いたコープマイナースはW杯欧州予選ではクーマンから輝きの舞台を与えられなかったが、AZでプレーする若手の頃からキャプテンシーとフォア・ザ・チームの姿勢は広く知れ渡っていた。
























