■劣勢に立たされた要因は「球際」に!
この「球際」の差は、ボールを放すタイミングにも連動する。球際の強さに自信を持つイングランドの選手たちは、日本選手を1.5メートルまで近づけても慌てずにパスを出すことができた。短い距離のパス交換が多かったが、効果的で、しかも相手ゴールに向かうという明確な目標があった。この試合でのイングランドの総パス数はUEFAのデータによれば704本で、うち成功は626本。成功率は89%だった。
一方、日本の選手たちはイングランド選手ほど相手を引きつけられず、相手が2~3メートルの距離に入ってきた時点でボールを放していた。それ以上相手を近づけると、体を寄せられ、苦し紛れのプレーになってしまうからだ。しかも相手ゴールに向かうパスは、受け手が相手に厳しく体を寄せられて奪われることが多かった。日本のパス総数はイングランドの43%に過ぎない306本。成功は243本で、79%だった。
日本の守備組織は素晴らしかったし、ワールドカップの欧州予選で8戦全勝、22得点、失点0というイングランドを無失点に抑えただけでなく、見事な速攻からゴールをもぎ取って勝利をつかんだのは称賛されてしかるべきだ。
ボール保持自体は、試合の目的ではない。しかし「68%対32%」では、通常、勝ち目はない。シュート数「19対7」も同様だ。そうした「劣勢」に立たされた要因のひとつが、間違いなく「球際」の差にあった。ワールドカップまで2か月、イングランド代表選手たちとボールをめぐって戦った「体感」を忘れず、「球際」の強さをアップさせる必要がある。






























