■恵まれていた日本

 そもそも、日本代表はアジアの中では突出した地位にあるのだが、それに加えて今回のアジアカップでは日本は対戦相手に恵まれた(恵まれてしまった!)。

 アジアの女子サッカー界では、日本、オーストラリア、中国、北朝鮮、韓国が「5強」で他国とは明らかな戦力差がある。男子サッカー界では強豪がそろう中東勢だが、宗教的な制約もあって女子の強化は遅れている。

 そして、今回のアジアカップではグループリーグのA組にオーストラリアと韓国が入り(両者の対戦は3対3の引き分け)、B組に中国と北朝鮮が入った(中国が北朝鮮を2対1で破った)。そして、日本が入ったC組には日本以外の「5強」はひとつも入っていなかったのだ。

 さらに、ノックアウトステージに入っても、日本の準々決勝の対戦相手はフィリピン。韓国にも4対1で快勝した日本は、決勝戦までヒリヒリした戦いをひとつも経験できなかったのだ。

 一方、もうひとつのファイナリストであるオーストラリアは、グループリーグで韓国と引き分けて2位通過。準々決勝では北朝鮮、準決勝では中国と対戦してともに2対1という競り合いを演じていた。

 そんな中でも、いきなり本格的な試合となった決勝戦でも緩みや堅さを見せることなく戦った日本の選手たちの精神力は素晴らしかったが、チーム強化という意味ではもっと強い相手との戦いを経験しておきたかった。

 アジアでは、「5強」と他チームとの差がきわめて大きい。それなら、アジアカップとかワールドカップ予選といった大会では強豪同士の戦いの機会を増やすべきだろう。それが、アジアのチームの強化にもつながるはずだ。

「5強」を除くチーム同士で第1ラウンドを行って、その勝者に「5強」を加えた6チームで総当たり戦を行うのが、本当のアジア・ナンバーワンを決めるために相応しい形式なのではないだろうか?

 2016年のリオデジャネイロ・オリンピック予選はそういう形式(「5強」+ベトナム)で総当たり戦が行われた(そして、日本はオーストラリアと中国に敗れてオリンピック出場権を失った)。

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