サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)が、見事アジアカップを制した。6戦全勝、29得点1失点という残した数字も圧倒的だった。だが、この「圧勝劇」を手放しで喜んでばかりはいられない。対戦相手との戦力差や組み合わせの妙、そして決勝で露呈したフィジカルへの課題――。表面的な結果だけでなく、中身にしっかりと目を向ける必要がある。サッカージャーナリスト・後藤健生が、アジアカップ優勝からなでしこジャパンの現在地を読み解き、来たるワールドカップへ向けた「落とし穴」に警鐘を鳴らす!
■W杯優勝時からの変化
振り返ってみれば、2011年にワールドカップで優勝した当時の日本代表は、サイドというより中央での戦いで力を発揮していた。
攻撃面では中盤から丹念にパスをつないでビルドアップして相手を崩したし、守備面でもボールを持った相手を外に追い出すのではなく、中に追い込んで囲い込んでボールを奪うのが基本だった。
当時の日本のトップリーグだったなでしこリーグの試合でも、サイドからえぐるような攻撃はあまり見られなかった。
だが、その後、次第に外のスペースを利用する形が増えていった。
それまで日本の女子サッカー界をリードしていたのは日テレ・東京ヴェルディベレーザであり、それを追いかけ、追い越そうとしていたのがINAC神戸レオネッサだった。
どちらも、テクニックを非常に大事にしていてパスをしっかりつなぐサッカーが持ち味だった。そんな中で、新風を吹き込んだのが三菱重工業浦和レッズレディースで、高さや強さ、スピードのある選手を使ってダイナミックな攻撃を展開していわゆる“3強”時代を実現した。
また、セレッソ大阪ヤンマーレディースはWEリーグ発足のタイミングでは加盟しなかったこともあって、育成型のクラブだったがサイドのスペースを使うことのできるスケール感のある選手を何人も育てることに成功した。

















