■ようやく見えてきた方向性
2024年末にニルス・ニールセン監督が就任してから、日本代表は迷走を続けていた。
ニールセン監督就任直後の2月のシービリーブスカップではアメリカ戦の勝利を含めて全勝優勝を飾ったものの、その後はアウェーで戦ったヨーロッパ勢やブラジルとの親善試合では1勝もできず、フルメンバーでの勝利は11月の長崎でのカナダ戦まで持ち越しとなった。しかも、このときのカナダは本来の出来とはかけ離れた状態だったので評価は非常に難しいものだった。
さらに、ほぼ国内組だけで戦った7月のE-1選手権でもチャイニーズタイペイ(台湾)には勝利したものの、韓国、中国とは引き分けて3位で終わってしまった。
結果が負けであっても、戦い方がはっきりしていて積み上げが見られるのなら納得もできるのだが、これからチームがどういう戦いをしていきたいのか、勝利のためにどのように戦っていくのか、そういう方向性が見えていなかった。
だから、僕は「迷走」という言葉を使ったのだ。
ニールセン監督はピッチ上での戦いでもそういうメッセージを提示できなかったし、記者会見などでのやり取りでもヒントを与えてくれなかった。
そうした中で迎えたアジアカップだっただけに不安はあったのだが、日本代表は素晴らしい内容の試合で決勝に進出。決勝では苦戦したものの、勝負強さを発揮してタイトル奪回に成功した。
そして、戦い方にも方向性が見えていた。
一番の収穫はサイド攻撃が効果的だったことだろう。サイドバックとサイドハーフが連係して相手を崩し、ドリブル突破からポケットを取ったり、ペナルティーエリア内に走り込む味方を使ったり、さらにはアーリークロスを入れて守備を固める相手を崩して得点を重ねた。
つづく
















