今季のJリーグでは、レノファ山口FCとギラヴァンツ北九州による「関門海峡ダービー」が5年ぶりに復活する。だが一方で、世界に目を向ければ、中東のホルムズ海峡は戦火に包まれ、緊迫の度合いを深めている。本来、「海峡」とは、対岸の異文化と交わるロマンにあふれた場所であり、のんびりとした時間が流れる平和な場所であるはずだ。蹴球放浪家・後藤健生が、W杯やチャンピオンズリーグ決勝の熱狂のあとに立ち寄った「世界各地の海峡」とサッカーの記憶を振り返りながら、争いの絶えない世界へ平和の祈りを捧げる。
■思い浮かぶ15世紀の風景
そのほか、よく覚えているのがトルコのイスタンブールのボスポラス海峡です。
海峡の両岸ともにイスタンブール市ですが、東側がアジア大陸、西側がヨーロッパ大陸になります。今では橋とトンネルが3本ずつあり、バスや地下鉄で簡単に両岸を行き来できますが、各地から出ているフェリーは今でもとても便利な交通機関です。
2005年のチャンピオンズリーグ決勝はACミランが3対0とリードして折り返しましたが、後半にリヴァプールが追いついてPK戦の末にリヴァプールが勝利しました。
その伝説の試合を見た後、翌週に日本代表のワールドカップ予選の試合がバーレーンであったので1週間イスタンブールに滞在して観光を楽しみました。ある日、フェリーに乗って対岸(アジア側)のユスキュダル地区まで足を延ばし、暖かい陽だまりの中で海岸の公園で対岸のイスタンブール旧市街を眺めながら、15世紀にオスマン・トルコ軍が海峡を渡ってコンスタンティノープル(イスタンブールの旧名)を攻略する場面を思い浮かべながら僕は2時間くらいを過ごしました。
地中海から黒海までは、まずダーダネルス海峡を通って、マルマラ海という内海に入り、そこからボスポラス海峡を通るので、ボスポラス海峡付近は基本的には波も静かで、まさに「ひねもすのたりのたり」といったのんびりした時間を過ごしました。




















