現在、中東情勢は緊迫の度合いを深めている。アメリカによるイランへの軍事行動は、圧倒的な戦力差があるにもかかわらず泥沼化の様相を呈しており、今夏に控える北中米ワールドカップなど、サッカーの国際大会への影響も強く懸念されている。大国・アメリカの戦略には、国際法上の問題以外にも「ある決定的な視点」が欠けているのではないか。世界中のスタジアムを旅してきた蹴球放浪家・後藤健生は、過去の歴史と自身の経験から「アウェイ戦における地形の読み解き方」という独自の視点で、この戦争の行方と危うさを浮き彫りにする。
■戦力差を埋めるもの
アメリカ軍は今もイランに対して空からの攻撃を続けており、イラン側はミサイルや無人機を使って反撃しています。
このまま戦争が続いたら、4月にサウジアラビアで開かれる予定のACLエリート決勝大会はどうなるのか? イランはワールドカップに出場するのか? そして何より、ワールドカップは予定通りに開幕できるのか……。
6月のワールドカップまでに戦争が終わればいいのですが、いったい戦争はいつまで続くのでしょうか?
アメリカのほうが強そう?
もちろん、アメリカとイランでは軍事力に圧倒的な差があります。だから、イラン軍が軍事的に勝利することはできないでしょう。しかし、イラン自身が降伏を決意するまで、彼らはホルムズ海峡の封鎖やテロ攻撃を続けることができます。
かつて、アメリカはベトナムでもアフガニスタンでも「勝利」できずに撤退を余儀なくされ、ソ連もアフガニスタン介入で大被害を受けました。中国の人民解放軍もベトナムとの戦争で敗れました。“アウェイの戦い”では、世界の大国が何度も敗れているのです。
トランプ大統領には明確な戦略などないように見えますし、少なくとも空爆だけでイランを無条件降伏に追い込むことは難しそうです。
アメリカがいくら圧倒的な軍事力を持っていたとしても、空爆だけでイランを降伏させることは不可能でしょう。




















