■日本サッカーの速いテンポにも適応

 チームのスタイルには、スムーズに順応している。では、日本のサッカーへの適応はどうだろうか。ブラジルと日本では、プレーのリズムが異なるものだ。

 ポルトガル語に翻訳された質問を聞いて、ディニースは頷いた。

「ブラジルはゆっくりボールを動かすとか、ボール回して、回してという攻めかたもします。個人技で運んでいく場面もあれば、シャペウ(※ボールを相手の頭上へ浮かせて抜き去る技)をする選手もいます。それに対して日本のサッカーは、ゴールという目的に向かって突き進むイメージですね。ワンツーで抜け出してシュートとか。テンポが速い。その違いに最初はちょっと慣れなかったですけれど、いまはもう『ああ、こういう感じだな』と理解できています」

 レッドブルサッカーの一員であるRB大宮でプレーすることによって、ヨーロッパのスカウトにモニタリングされる機会は増えていくだろう。22歳という年齢にそのポテンシャルを加味すると、彼に注がれる視線はそもそも熱い。将来性豊かな才能に「翼を授ける」のが、レッドブルサッカーのフィロソフィーでもある。

 ディニース自身は「先のことを考えたくないタイプなんです」と明かす。野心を抱きつつも日々の取り組みをおろそかにしない姿勢こそが、この男の「核」であり「芯」なのだ。

「いまはRB大宮にいるのだから、ここでありったけのものを吸収したい。文化でも、食事でも、もちろんサッカーについても、自分のプラスになるものは吸収したいんです。色々なタイプの選手がいて、優れた選手が多いので、その人たちからたくさんのことを吸収して、毎日をより充実させて生きていく。その結果として、自分がどこかへ移籍するようなことがあるのなら、それは神様が示してくれる道なのでしょう。とにかくいまは、目の前の時間しかフォーカスしていないです」

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