■PK戦はゴールの補填ではない

 もちろん、プロでも、価値ある引き分けはいくらでもある。2月17日に行われた「AFCチャンピオンズリーグ・エリート」の「FCソウル×サンフレッチェ広島」がその好例ではないか。

 アウェーの地でPKとオウンゴールにより前半はやばやと2点のビハインドを負い、その後圧倒的に攻めながら相手GKの好守などでどうしてもゴールを割れなかった広島。しかし「5分間」と示された後半アディショナルタイム、時計で言えば「92分3秒」にFWジャーメイン良のゴールでようやく1点を返すと、その3分後、95分をわずかに回ったところでMF志知孝明のクロスをFW木下康介がヘディングで決め、2-2の引き分けに持ち込んだのだ。

 プロであっても、引き分け自体が悪いわけではない。プロとして問題とすべきは、得点数の少なさではないか。昨年のJ1全380試合で生まれた得点は911点。1試合平均2.40は、Jリーグ史上最少記録だった。

 PK戦導入により、「2026百年構想リーグ」はより攻撃的になり、得点数が増えたのだろうか。2節までの時点で、全20試合の総得点は48。試合平均2.40と、まったく増えていないのである。PK戦では「10本連続成功」のFC東京も、2試合で2得点に過ぎない。

 試合中に「ゴール」というサッカーで最もスリリングなシーンを提供できない分をPK戦で提供しようというのが今回のPK戦導入なら、それはやはり「邪道」というしかない。

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