■ドイツで生まれた大記録

 シーズンの「全試合出場」が2.7%とすると、2シーズン連続の「全試合出場」は0.0007%、すなわち1000人に1人弱ということになる。それを何年間も続けるのは…? 気が遠くなりそうな「偉業」なのである。

 記録を調べてみると、何年間も連続出場を続ける選手は、Jリーグのデータでもわかるとおり、やはりGKに多い。ブンデスリーガでは、1960年代から70年代にかけてバイエルン・ミュンヘンの最初の黄金期を担ったGKゼップ・マイヤーが13シーズン、442試合連続出場というとてつもない記録を持っている。

 読者は信じられないかもしれないが、1963年にブンデスリーガが始まった当時、バイエルンは強豪クラブではなく、この西ドイツ初の全国プロリーグに入れてもらえなかった。「南部リーグ」でプレーしていたのである。ようやく昇格がかなったのはブンデスリーガの3シーズン目、1965/66シーズンだった。マイヤーは「南部リーグ」時代からバイエルンのレギュラーだったが、ブンデスリーガの1年目は、「全試合出場」はかなわず、最終戦も逃して31試合の出場にとどまった。

 しかし翌1966/67シーズンから、バイエルンのGKはマイヤー以外にいなくなる。1978/79シーズンまで、なんと13シーズン連続して「全試合出場」を達成したのである。その間の442試合で、マイヤーは4回のブンデスリーガ優勝に貢献した。そしてこの試合数には入らないが、欧州チャンピオンズカップ(現在のUEFAチャンピオンズリーグ)で3回優勝、さらには西ドイツ代表として欧州選手権優勝(1972年)とワールドカップ優勝(1974年)まで勝ち取るのである。

 手足が長く、当時としては珍しかった特大のGK用グローブを愛用してゴールを守る姿が、今もドイツ人の記憶に強く残っているのは、あまりに当然だ。

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