後藤健生の「蹴球放浪記」第304回「サッカー観戦旅行に欠かせないアルコールのたしなみ方」(2)「酒が飲めない人生なんて!」アジアでも「フランスの植民地だった国」はワインが豊富の画像
2023年のU-17ワールドカップのADカード。ムスリムの多いインドネシアでは酒の置いてない店も多い。提供/後藤健生

 サッカーは、存在するそれぞれの地域の文化を表現するものだ。プレースタイルも楽しみ方も、さまざまな手法が存在する。そうした文化的側面で欠かせないもののひとつが、アルコールとの付き合い方だ。蹴球放浪家・後藤健生が、自身の経験を通じてつづる。

■アジアに存在するフランス文化

 逆に、簡単にワインが手に入ってびっくりしたのがラオスの首都ビエンチャンでのことでした。

 他の東南アジアでの経験もあったので、「酒はなかなか見つからないだろうな」と思って外に出たのですが、ホテル玄関を出て少し行ったところに小さいけれど立派なワインショップがありました。高級ワインから安ワインまで、品ぞろえも豊富でした。

 その後、ビエンチャン市内を歩いていると、ワインショップはそれほど珍しい存在ではないことも分かってきました。

 ラオスは敬虔な仏教徒がほとんどという国ですが、なぜワインショップがたくさんあるのでしょうか? それは、間違いなくラオスがフランスの植民地だったからです。

 ラオスは1899年に「フランス領インドシナ」に編入され、以後、第2次世界大戦直前に日本に占領されますが、1945年8月に日本は敗戦を迎え、その後、フランスとの戦闘を経てラオスは独立しました。

 つまり、約半世紀間、ラオスはベトナム、カンボジアとともにフランスに支配されていたのです。

 フランスは植民地時代にフランス風の生活様式を持ち込みました。今でもベトナムではフランス式のパンが美味しく、そのパンに具材を挟んだベトナム式サンドウィッチの「バーンミー」は今では日本でもお馴染みになっています。

 フランスの食文化といえばワインは切り離せない存在です。だから、ビエンチャンではフランス人が好んだであろうワインショップが現在も健在なのです。

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