■日本と韓国の大きな違い
当時、日本ではサッカーはマイナーな競技のひとつであり、大きな関心を集めたはずの東京での第1回日韓定期戦も、記録を見ると入場者数はわずか1万5000人だった。6万人収容の国立競技場である。4分の1ほどの入りだった。しかも「1万5000人」は「当事者発表」の数字で、実数ではない。実際には、1万人入ったかどうかだっただろう。もちろん雨だったこともあるが…。
しかし韓国では、サッカーは当時からかなりの人気競技だった。それに加え、「日韓戦」となると特別な関心を持たれていた。もちろん歴史的な背景からである。「日本だけには、絶対に負けてはならない。完膚なきまでに叩きのめせ」という国民の期待を選手たちはひしひしと感じていたに違いない。
シュートを外すのは、その期待を裏切ったということになる。そこで選手たちは「すみません、私が悪うございました」という「ざんげ」の姿勢を示すために、大げさなジェスチャーで倒れ込むのではないか…。国民の期待が大きなプレッシャーとなり、シュートの際の力みを生んだのに違いない。













