サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、「やっちまった~!」場合に、どうすべきかについて。
■韓国代表にのしかかった重圧
その後の日韓定期戦での日本の勝利は5年間も待たなければならず、終始劣勢が続いた。1991年の第15回定期戦(すなわち全15戦)までの日本の成績は3勝2分け10敗。「ライバル」と呼んだら韓国が気を悪くするかもしれない成績だったのである。
当然試合内容も、ほとんどの試合が完全な劣勢だった。韓国はスピードと個人的な強さを生かして日本の守備を突破し、次々とシュートを放った。もし、このころの韓国選手にペナルティーエリア内での落ち着きと、それによる「決定力」があったら、多くの試合が3点差、4点差がついても不思議のない内容だった。しかし15試合での実際の総得点は、日本の14に対し韓国は26点と、内容の差ほどには開かなかったのである。
このころ私が気づいたのが、シュートを外す、あるいは日本のGKに防がれたときの韓国選手たちの大げさなジェスチャーだった。シュートが失敗に終わると、韓国の選手たちは「生涯の過ち」とでも言っていいように大声を上げ、頭を抱えてグラウンドに倒れ込むのが定番だった。
ここでようやく、この記事は「脱線地獄」から抜け、本筋に戻ることに成功したのである。大げさに頭を抱えて倒れ込む韓国選手たちを見て、私が感じたのは「ポーズ」だった。













