■FIFA公認の「チケット転売」はどうか

大住「今度のワールドカップは、入場料も高くて、チケットのリセール(転売)の仕方がひどいよね」

後藤「あれはひどい。裏のマーケットでチケットが何百万円となるのはしょうがないとしても、FIFAが自らそういうことをやっているんだから」

大住「しかも自分たちは売り手と買い手の双方から手数料15%、合計30%を取るってんだから」

後藤「すでに十分カネもうけしてるんでしょ、って話だよ」

大住「この方式が、アメリカのエンターテインメント業界では当たり前らしいんだよね。それをさ、アメリカで当たり前だからって、世界中から人が来る大会に当てはめちゃいけないよね」

後藤「今回だけじゃなく、4年後もやりそうだし」

大住「これだけでFIFAはいくらもうけるんだろう、って感じだよね。要するに、転売目的で買って、10倍でリセールに出すような人がいればいるほどもうかるんだから」

後藤「そういうやり方に、お墨つきを与えているわけだからね」

大住「これまでのリセールにかかる手数料は、確か正規価格の10%くらいだったんだよね。それを今度は、いくらでもいいとしてしまった。びっくりだよね。そもそもの値段が高いし。本当に、誰のサッカーなの、という感じだよ。今度のワールドカップは、サッカーにおける時代の分かれ目になるかもしれないよね」

後藤「いくらなんでも、これはおかしいと誰でも思うよね」

大住「まず、48チームが出場することがおかしい。アメリカ、カナダ、メキシコの共催と言いつつ、全試合の75%がアメリカでの開催というのもおかしい。2002年に、日本と韓国は32試合ずつを開催した。共同開催と呼ぶこと自体、おかしいよね。しかもFIFAは、皆が楽しみにしているワールドカップ抽選会の場で、あんなトランプへのごますりをして、会場にいる全員が偽善的な笑いを浮かべている」

後藤「悪いことは裏でやってくれよ、って思うよね」

大住「本当にそうだよ」

後藤「昔のアベランジェもブラッターも裏でやっていたのに」

大住「そういう意味で、サッカーは大丈夫かな、と心配になるよね。ま、日本代表がその中で、さわやかなひとつの風となってくれることを願いたいと思います」

後藤「そうか、3位抜けするために、わざと最終戦で負けるなんてことがあってはいけないわけだね」

大住「堂々と1位になって、ラウンド32でブラジルかモロッコを倒して、魅力的なサッカーで勝ち進んでもらいたいね」

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