グループFを苦しめる「ワースト3」の地の不利!スペインW杯が示す「上位進出」の難しさと日本が「一番うまい」対策【組み合わせ決定「日本代表ワールドカップ決勝への道」大激論】(4)の画像
9月のアメリカ遠征では勝利することができなかった日本代表。だが、真夏の北中米ワールドカップに向けて、その対策を以前からおこなってきた。その経験が「大きな武器」となる。撮影/渡辺航滋(Sony αⅡ使用)

 来年開催されるワールドカップの組み合わせが決まった。日本代表は、オランダ、チュニジア、そしてスウェーデン/デンマーク/ポーランド/アルバニアの中からプレーオフを勝ち進んだチームと顔を合わせるグループFに入った。また、抽選会が終わったことで他グループの様子、さらに、会場やキックオフの日時も固まった。日本代表が目標である頂点へ勝ち上がるための道筋を、ベテランのサッカージャーナリスト大住良之と後藤健生が徹底的に論じ合った!

■「移動」に関しては恵まれるも…

――対戦相手以外に、気をつけることはありますか。

大住「ダラスからモンテレイに行って、またダラスに戻ってくる。移動に関しては、このグループは比較的恵まれているかなという感じ」

後藤「その代わり、一番暑いところでやらなきゃいけない。大会期間中に、試合をするのに危険な暑さになる可能性が試算されたらしいんだけど、そのダラスとモンテレイ、ラウンド32で戦うことになるかもしれないヒューストンが、ワースト3に入ったんだって。モンテレイは標高500メートルくらいだけど、暑い。テキサスの2都市は、平地でとにかく暑い。その代わり、屋根がついていて、冷房が設置されている」

大住「モンテレイが一番大変そうだよね。北回帰線に近いから、太陽が真上にある感じで、すごく日差しが強い。試合開始は現地時間22時だけど、かなりの内陸だし、ちょっと厳しいんじゃないかな。後藤さんはモンテレイに行ったことはある?」

後藤「ない」

大住「僕も1986年のメキシコ・ワールドカップのときには、モンテレイだけ行かなかったんだよ」

後藤「モンテレイだけ遠かったからね。当時から散々、暑いと言われていたしね。だからね、このグループFの日程をフラットに見ると、この暑い場所で戦う4チームは決勝まで行くことは不可能だと思いますよ。過去の大会を見ても、ベスト4に残ったのは涼しいところでグループステージを戦ったチームだった。1982年のスペイン大会なんて、典型的な例だと思いますけどね。グループFからは、上には行けないよ」

  1. 1
  2. 2
  3. 3