■レベルの向上に合わせて「変えるべし」

 ほんの数年ほど前まで、J3リーグの競技レベルはけっして高いものではなかった。降格もなかったので、監督が理想のサッカーを追求するようなチームもあれば、泥臭いサッカーに徹しているチームもあった。一方、当時はJFLにもJリーグ入りを目指さない実業団チームも多かったから、J3リーグとJFLでは競技レベルの差はほとんどなかった。さらに、関東大学リーグにも、たとえば三笘薫上田綺世のようなJリーグの下部組織から入ったプロ予備軍が多く、J3リーグを上回る戦力を誇っていた。

 ところが、最近10年ほどでJリーグ全体の競技レベルが上がった。

 まず、J1リーグで川崎フロンターレや横浜F・マリノスの攻撃サッカーがインパクトを与え、その後は堅守速攻型が覇権争いをするようになった。そのJ1のレベルアップがJ2、さらにJ3リーグに波及。それに伴って、JFLのレベルも上がってきた。

 従来、JFLではHonda FC(本田技研)やソニー仙台のような会社名を掲げた実業団系のチームとクラブチームが拮抗していたが、現在ではHondaを除いて、会社系のチームは下位に低迷している(Hondaは今季も優勝)。Jリーグ入りを目指すクラブは元Jリーガーを中心にチームを構成するようになったのだ。

 そして、その波はもう地域リーグにも波及してきている。そして、地域CLという大会も、本気でJリーグに上がるために人件費を使って元Jリーガーを集めて、練習環境などを整えたチームの争いになっているのだ。

 だからこそ、この大会のレギュレーションやフォーマットも競技レベルの向上に合わせて変えていくべきときなのである。

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