■次節は首位と2位が直接対決

 1対0とリードしたRB大宮は、87分に貴重な追加点をあげる。途中出場の谷内田哲平の右CKから、杉本が右足シュートでネット揺らしたのだった。この場面でも杉本は相手のマークを振り払い、シュートできる空間を作り出している。日本代表経験を持つ32歳の経験者が、先制点に続いて「個」の力を見せつけたのだった。

 後半は左サイドの津久井匠海も存在感を発揮した。彼は6月に水戸からRB大宮へ完全移籍した選手である。かつてのホームへ乗り込み、得意のドリブル突破で前への矢印を太く強くした。

 2対0のまま試合終了のホイッスルを聞いたRB大宮は、勝点63として3位に浮上した。宮沢監督の就任後(31節~)は、これで5勝1分である。シーズン終盤での監督交代というカンフル剤は、チームを明確に変えたのだった。

 今節の結果を受けた順位は以下のとおりである。

 1位・水戸(勝ち点67)、2位・V・ファーレン長崎(勝点66)、3位・RB大宮(勝点63)、4位・ジェフユナイテッド千葉(勝点63)、5位・徳島ヴォルティス(勝点61)、6位・ベガルタ仙台(勝点61)、7位・ジュビロ磐田(勝点60)、8位サガン鳥栖(勝点57)。

 7位の磐田は残り2試合に連勝しても、勝点は66だ。このため、水戸はJ1昇格プレーオフ圏内の6位以内が確定している。2位の長崎も、得失点差を考えると6位以内はほぼ確定済みと言っていい。

 次節は11月23日に開催される。ラスト2試合は全試合が同日開催だ。

 その次節で、首位の水戸と2位の長崎が激突する。舞台は長崎のホームで、5月から12戦負けなしの強さを誇っている。

 3位の大宮は、5位の徳島をホームに迎え撃つ。ゲームキャプテンの市原吏音が出場停止で、最終ラインの人選に注目だ。

 29日の最終節にも、上位チームの直接対決が組まれている。徳島対長崎、鳥栖対磐田だ。

 最終節を終えた景色は、果たしてどうなっているのか。最後まで予断を許さない。

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