■特筆すべきは「柏3バック」の安定感
「波乱の第35節」のなかで唯一、着実な結果を得たのが、2位の柏だった。ホーム三協フロンテア柏スタジアムでの横浜FC戦。相手は「降格圏」の18位とはいえ、7月に就任した三浦文丈監督が堅固な守備からの速攻という実戦的なチームにまとめ、この試合でも自陣に緻密な守備ブロックを築いて柏のパス攻撃を押し返しながらカウンターを狙うサッカーを徹底した。最終ラインからビルドアップする柏にとっては、危険極まりない相手だった。
しかし、この相手でもリカルド・ロドリゲス監督は「スタイル」を貫いた。最終ラインとボランチでパスをつなぎながら相手を押し込み、隙を見つけると果敢に縦パスを入れて崩しにかかった。そして横浜FCの密集守備に引っかかっても、鍛えられた攻守の切り替えで相手を追い詰め、正確なロングパスを許さなかった。
特筆すべきは、DF古賀太陽を中心に、右にDF原田亘、左にDF三丸拡が並んだ3バックの安定度だった。立ち上がりの10分間ほどは横浜FCのロングパス攻勢にクリアがやっとの状態だったが、残り時間はほぼ危険な状況をつくらせなかった。なかでも古賀の1対1の強さと安定感は抜群で、7月のE-1選手権で自ら証明したように、今すぐ日本代表に選ばれても十分戦力になるレベルにあると感じさせた。
そして後半27分、横浜FCのボールへの圧が少し下がったと思った瞬間、交代出場のMF山田雄士が低いミドルシュートで先制、同31分には「特別指定」のMF山之内佑成(東洋大学)が右から持ち込んで放った左足シュートのリバウンドを、同点ゴールの山田と同様に交代出場だったMF仲間隼斗が叩き込んで勝負を決した。








